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SPECIAL

インタビュー

「第1回 エクストリームアイロニングオンラインミーティング」

2020年6月24日(水)東京都千代田区永田町にて、「第1回エクストリーム アイロニング オンラインミーティング」を、Extreme Ironist Club 杉本真樹代表(Ironist MAKI)、Extreme Ironing Japan 松澤等代表とNEWSPO(一般社団法人新スポーツ推進団体NEWSPO)で共同開催いたしました。

山頂、断崖絶壁、水上、空中、極限状態でアイロンがけを行う国際的エクストリームスポーツ「エクストリームアイロニング」。

杉本様による「エクストリームアイロニングとは」の話から、松澤様のご経験、視聴者からの質問タイムと、最初から最後までエクストリームアイロニングの魅力を余すことなく、知ることができる時間となりました。

エクストリームアイロニングとの出会い

(杉本様)
エクストリームアイロニングと出会って人生が変わりました。一応「アイロニストMAKI」で活動しています。
神戸に8年間いたことがあり、そのときに「Extreme Ironist Club」をたちあげました。どんな団体かというと、エクストリームアイロニングを競技としておこなうひとだけでなく、「観る」だけでエクストリームアイロニングを楽しみたいという人もいるなかで、両者を集めて何かおもしろいことをやりたいと思い、「アイロニスト」と「」を主体とした団体をたちあげました。

私は会津磐梯にいる知り合いの山寺純さん(株式会社Eyes, JAPANの代表取締役社長 )に教わったのがきっかけでエクストリームアイロニングに出会い、山寺さんがエクストリームアイロニングの師匠になります。
山寺さんにスキー場でのハッカソン(プログラミング協議会)に誘っていただいたことがエクストリームアイロニングとの出会いです。山寺さんとハッカソンの参加者が雪山の山頂でいきなりアイロンをかけだし、「えっ、何やってんの?」と初めてみたエクストリームアイロニングは異様な光景にうつりました。最初は私も傍観者だったのですが、「やってみない?」と声をかけていただきやってみたら、「こんなに気持ちのいいものなのか!」と心にスイッチが入ってしまいました。山寺さんに「熱いいね!」を送りたいと思います。

エクストリームアイロニングの何が面白いのかというと、アイロンをかけているひとはもちろんですが「アイロンをかけている姿をみたひとたちも笑顔になれる」、「みんなで楽しい気持ちになれる」のがエクストリームアイロニングの素晴らしいところだと思います。

なぜ世界的なスポーツとなり、熱狂させるのか

(杉本様)
エクストリームアイロニングは1997年イギリスを発祥とし、「あらゆる極限状態でアイロンがけをおこなう」国際競技でした。私の考えるエクストリームアイロニングは「強靭な肉体と鉄の精神、熱い情熱、抜群のユーモアセンスで羞恥心を乗り越え真摯に「心のシワ」を伸ばし究極の刺激と達成感を得る」ものだと思っています。
またアイロニストをやるにあたって、おおきく5つの精神が必要だと考えます。それは、「屈強な肉体」「アイロンがけの技術」「ユーモア感覚」「羞恥心の克服」「バカバカしさの理解」です。エクストリームアイロニングは圧倒的にばかばかしいと理解し、理解したうえで真剣に取り組めば取り組むほど、意味があるのかなと思います。

ではなぜこんなにもバカバカしいスポーツが人々を熱狂させ、世界的な競技となっているのかと思い、エクストリームアイロニングの世界記録を調べてみました。エベレストのベースキャンプでイギリスのアイロニストの2人組がアイロンがけをしたのが世界記録となっています。水中での記録を調べると、エジプト沖水深100mでのアイロンがけが最深記録となっています。
ギネスブックに正式に載っている記録について話すと、2004年4月にロンドンマラソンにアイロンがけの道具を装着し、アイロンをかけながら4時間8分でフルマラソンを走破した記録も残っています。また、エクストリームアイロニングの創始者のフィル・ショウは、20m上空で透明な箱の中に入りアイロンをかけたという記録も残っています。
本日いらっしゃる松澤さんは、日本最高峰の富士山を25㎏の発電機とアイロンセットを背負って登頂し、最高地点の剣が峰でアイロンの熱源を完全に確保した状態で、世界初の富士山頂でのアイロンがけを成功されています。ちなみに、アイロン台の高さは含めていらっしゃらないところがにくいなと思います。そのとき、涙がでたとお聞きしています。

(松澤様)
はいそうですね。

(杉本様)
松澤さんの富士山頂でのアイロンがけ動画をみましたが、アイロンがけをしてしっかりとたたみ、そこまでをアイロンがけとされていますよね。

(杉本様)
記録の話をしてきましたが、なぜこんなにもエクストリームアイロニングが人熱狂させるのか調べてみました。発祥の地イギリスには「ナンセンス文学」というものがあるんですよね。「ナンセンス」とは、「無意味であるさまや、くだらないこと」ですが、「意味がないことが良い」「意味を求めすぎない」が重要とされている。ナンセンスの文学的な効果は、「意味の欠如・過剰によってもたらされるもの」とし、そこからユーモアがうまれるとされている。
ひとはいろんな物事に意味を求めすぎていると考えます。ナンセンスはあくまでも、理性によってコントロールされています。意味を求めすぎているからこそ、意味のないことに感動するんです。意味を求めなくすると、人生が新しい意味をもつようになるんです。
私もエクストリームアイロニングを通じて意味のないことに重要性があると感じて、医療ロボットでアイロンがけをしてみました。まったく意味はないです!!でもこうやっていまお見せしているみなさんと一緒に笑うことができるじゃないですか。そこに意味があるかなと思っています。

アイロンの聖地「ヒナタ屋」

(杉本様)
真剣にエクストリームアイロニングに取り組みたいと思い、東京都千代田区神保町にある「ヒナタ屋」というエクストリームアイロニングの聖地に行きました。基本はカレー屋で、松澤さんの著書「そこにシワがあるから」にも書かれているんですが、ヒナタ屋で撮った写真が多く載っています。お店の特徴的なところとして、テーブルがアイロン台になっていて、壁にアイロンとコンセントが描かれています。
お店のなかには、松澤さんが撮られた写真のつまったフォトブックが置いてあり、写真のなかには俳優の藤岡弘さんと一緒にアイロンをかけた写真も載っていました。私は感銘を受けて、松澤さんにご連絡したところ筑波山が聖地と聞き、筑波山に登りました。とても爽快感がありました。
筑波山には筑波山神社というのがあり、アイロンをかけるには事前に許可をとる必要がありました。神主さんに許可をとるときに「なんだそれ?」と言われるかと思いきや、「あぁ、いつものやつですね」と言われました。松澤さんたちがアイロンをかけに行かれたこともあり、神主さんもご存じでした笑。

次頁【「エクストリームアイロニング」の定義とは」】につづく。

<参考>
聖地「ヒナタ屋」:https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13057210/
松澤さん著書:「そこにシワがあるから」