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インタビュー
【NEWSPOインタビュー】フラッグハント ーフラッグハントの魅力編ー
フラッグハント
2チームで、相互に相手チームのプレイヤーを競技用装備で射撃し「ヒット」させ、相手陣地にあるフラッグを取れば勝利するという新スポーツ。(日本フラッグハント協会公式サイトより引用)
元々はエアガンを使用するサバイバルゲームから着想し、誰でも手軽に公平にできるよう競技化したスポーツで、今では都内で定例開催が行われ、地方開催も積極的に実施されているという。
フラッグハントの魅力はなんと言っても互いの強みを生かすチームワーク!
今回のNEWSPOインタビューでは、フラッグハントの発案者であり日本フラッグハント協会代表理事を務める湯村淳さん、広報担当の榊原さん、研修担当の松岡さんに、フラッグハントを立ち上げる経緯や、フラッグハントを通してのチームビルディングについてお伺いしました!
サバゲーに違和感を感じた
ー早速ですが、フラッグハントを始めたのは湯村さんということですが、どんなところからフラッグハントを思いつかれたのでしょうか
湯村さん)
もともとは会社の同期と何か面白い話はないか、ということでサバイバルゲームを体験してみて、めちゃくちゃ面白かったんです。
サバイバルゲームをやっている方が使っている銃は改造されているものが多く、
威力を強化して飛距離が出るようにしてあったり弾が大量に入ったりと性能がすごいんです。
でも、始めたばかりの僕たちは全く改造していない銃を使っていたので、威力も飛距離も普通で全然敵わない。
これは同じ性能の銃同士で勝負した方がもっと面白くなると気づきました。
また、一般的にサバイバルゲームは陣地の条件が対等じゃないんです。
雰囲気を出して面白さを追求しているので、映画のワンシーンのようなセットや、山の下の陣地、山の上の陣地、建物の陣地、それを攻略する陣地というように、陣地はフェアな条件にする前提では作られていないんですよ(笑)
銃の性能と陣地、これは技術を磨いても埋まる差ではないので、サバイバルゲームをやっていた当時から銃の改造をなくし、ゲームをする時も陣地を変えて平等な条件になるようにしてやっていました。
1つ目の質問から熱くフラッグハント発案のきっかけを語ってくださった湯村さん。
フラッグハントに対する情熱と、ひたむきなお人柄が伝わってきます。
湯村さん)
ある日東京駅の地下道を歩いている時に、地面にタイルがきれいに並んでニョキニョキっと生えて、
点対象の全く同じ並びの障害物になれば、平等な陣地ができるんじゃないかと閃きました。
これを何とか再現できないものかと思案している時に
モザンビーク人の友人から、海外にペイントボールというスポーツがあり、そのスポーツで使う障害物のメーカーなら作れるかもしれないという情報を教えてもらったんです。
ペイントボールでは、三角や丸と言った形のバルーンを障害物としていたんですけど、
それだと僕の東京駅で見たビジョンを実現することができない。
「なんとか作れないか」ということで、その障害物を作っている海外メーカーに特注でお願いして、
1m四方の立方体の障害物を作ったのがフラッグハントの始まりです。
ーわざわざ特注されたんですね!
湯村さん)
もともと僕らは今の赤外線銃の前は、威力があってあたると痛いエアガンではなくBB弾を使っていたんですね。
それで工事現場に張ってある防塵ネットを使って周囲を覆って外の人に弾が飛んでいかない様にするという配慮をしないと、ゲームができなかったんです。
さらに一日やっていると弾を何万発も使うので、終わった後に何万発もBB弾を拾わないといけない(笑)
ーものすごく大変だったんですね(笑)
榊原さん)
本当にこれがすごい地獄で、町営や市営の体育館を借りるんですけども1個残らずBB弾を回収するという、、競技の進化の過渡期でしたね(笑)
競技時間より片付けの方が時間がかかるということがちょっとおかしいな、と(笑)
湯村さん)
準備の面もあるんですけど、BB弾って当たっても我慢をすれば痛くない。
みんな興奮してアドレナリンが出ているので、当たっても気付かなかったり、無理して続けちゃう人もいて、フェアスポーツにならない原因でもありました。
これは僕らがスポーツ競技にするにあたっての課題でした。
これに関しては僕らもかなりチャレンジしまして、審判制を設けてみました。
審判を1試合10人くらいつけて、
撃ち合いしている人の弾道を目視で確認して審判をしていく。
ただ、それをできるようになるまでも並々ならぬプレー時間と訓練が要るので難しい(笑)
ーいやぁ面白いですね(笑)
BB弾でやってた時に、「いつかレーザーを照射できるんじゃないか」「レーザーが当たった時に自動的に判定が出て、撃たれた人は弾が出なくするようできるんじゃないか」ということをずっと考えていたんです。
BB弾でフラッグハントをやってた時の運営側に入ってくれたスタッフの中に、そのビジョンに共感して赤外線を照射できる装置を作る会社を始めた人がいたんです。
その彼が「フラッグハントで是非使って欲しい」という提案をしてくれて赤外線に切り替えることができるようになりました。
特に赤外線銃の導入に関しては、BB弾でのゲームが面白い思っている方もいて、まさにイノベーションのジレンマがあったとお伺いしました。
一見、スタイリッシュで華やかに見えるスポーツではありますが、その実現のためには革新を実行する力と判断力が必要なのだとわかりました。
フラッグハントは誰でも楽しめる!?
最近では年齢の幅もなくなってきてまして、障害物の高さって1mくらいしかなくて、実は大人の方が不利なんですよ。
小さいお子さんだと立っても頭出ないくらいなんですけど、大人の場合銃を持った状態で這って進まないと早く動けないんです!
僕もこの前久しぶりにやったら、未だに土曜日にやった時の筋肉痛が続いてるんですけど(笑)(現在火曜日)
お子さんとかだったら、ちょっと屈みながら走ったら、当たらなかったりするので、大人と子供でも戦えるようになっています。
道具を使うスポーツなので、男女の差というのがほとんど出ないんです!
走りが早かったり運動神経が良かったりする人は、それはそれで強かったりするんですけど、それだけでは勝てない。
弓道みたいなものかもしれませんが、女性の方が落ち着いて撃てるみたいなので、射撃の精度が高かったりします。
大人と子供の差も男女の差もないので、いろいろな人たちがこの1つのスポーツで、一生懸命本気で戦えるという土台がようやくできました。
ー全国大会でも年齢制限関係なくできるんですか?
湯村さん)
今までは年齢制限を設けていたんですけど、今後は撤廃する予定です。
松岡さん)
大人が子供たちには心理的に手加減をしてしまうんですけれど、身体が小さくて見えないし、恐れを知らないというか、割と子供の方が強かったりするんですよ。
「勝たせてあげないと」って大人が思ったりするんじゃないかと思って、全国大会の年齢制限を設けていたんですけど、
練習を重ねた子供ならライバルになり得るので撤廃にするつもりです。
ーでは子供だけのチームもすごく強そうですね!
湯村さん)
ただ、大人ってやっぱりずる賢いんですよ(笑)
作戦とか考え出すと大人の方が一枚上手だったりします。
前回の大会だとゴール(旗)の直前で、見えない位置から旗を取りに来た人を一人一人倒していけるポジションがあったんですが、悪い大人の榊原さんがそこに潜んでいて、結構たくさん倒したりするんです。
子供だとそういうのは思い付き難いみたいでバタバタとやられちゃったりします(笑)
もちろん事前に教えて練習すれば子供も吸収できるんですけど、初めから子供だけのチームだと、大人の方が高度な作戦を思いつきやすい。
だからいろんな年齢層のミックスのチームがいいですね。
ー【NEWSPOインタビュー】フラッグハント ーチームビルディング編ー に続くー