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インタビュー
【NEWSPOインタビュー】サッセン 本村隆馬さん
Samurai-侍- とは
古代から中世にかけての日本における官人身分呼称、あるいはそこから発展的に生じた「武士」の別名である。(wikiより抜粋)
そんな歴史の長い侍の世界と現代の日本において無くてはならない技術であるIT を融合させたスポーツ「サッセン」の創業者である本村隆馬さんから、本スポーツの魅力やビジョンを伺います!サッセンやご自身の経験から表現していただく本村さんの【夢】を余すことなくお伝えいたします!
そもそもサッセンとは
本日はインタビューに応じていただきありがとうございます!
まず簡単にですが本村さんの経歴を教えてください!
本村さん)生まれは福岡県の北九州市で、実家が空手(武術)の道場をしておりまして
3歳くらいから訓練をしてました。で、今は空手(武術)の師範代をしておりまして、子供たちに空手(武術)を教えつつサッセンをやっております。
へぇぇ…その中でサッセンに出会われたのはいつぐらいだったんですか?
本村さん)サッセンの原型となるものって、その空手(武術)の中にある護身術で、本来はナイフを使って身を守るんですけど、代わりにエアコンのホースや断熱材などの柔らかいもので身を守る運動が面白いなぁとなり、サッセンとして独立しました。
武術が原型なんですか?
本村さん)そうですそうです笑
どこの道場でもやっている護身術を変化させていったものがサッセンになりますね。
元は実家の道場の信念の中にある「自分の身を守る、鍛えている技を披露しない事が最も良い」という、人や自分を守るところがサッセンの「誰にでもできる」「柔らかい素材を使う」という部分につながっています。
なるほど…。ちなみにこの「サッセン」という言葉に語源等はあったりするのでしょうか?
本村さん)あります。颯然(さつぜん 風がさっと吹く様)や、元々空手(武術)の中で取り入れていた、二天一流で有名な武将である宮本武蔵の「指先」からインスピレーションを受けていまして、その二つの言葉をまとめてサッセンと言っています。
そうだったんですね!すごくかっこいい語源ですね…!
本村さん)ありがとうございます!(照)
サッセンが形造られるまで
このサッセンというスポーツに形造られていったのは、どれくらい前なんでしょうか?
本村さん)実際にサッセン刀にセンサーを取り付けて当たりを判定しよう、というものは一応特許を取ってまして(平成28年12月22日)、スポーツ交戦装置(サッセン刀とアプリと人の組み合わせで行うスポーツ)というんですけど、それが始まりですね。
それは本村さんから会社様に呼び掛けて一緒に作ったんですか?それとも本村さん自身が作ったんですか?
本村さん)それがどっちも違うんですよ。笑
え!そうなんですか!?
本村さん)はい。まず会社様には頼んでなくて、私自身もそのような技術力は無いんです。
ではどなたが全面的に開発の担当を行っているかと言いますと、筑波大学院卒でロボカップ世界2位の人なんです。で、何でそんな人と関わりがあるかといいますと、その方が同じ北九州出身で、昔うちの道場で一緒に稽古をしていた門下生だからなんですよ。
すごいご縁ですね…!
本村さん)といっても子供のころは別の道場だったので殆ど付き合いなどはなかったんですけどね笑
大人になって、師範が同窓会を開いてくださった際に丁度出会ったんです。
その際に「イメージしているスポーツがあるんだが、当たり判定の優劣が分からない…。フェンシング見たいに判定が分かれば良いのに・・・」という不満を打ち明けたところ
「あ、構想自体は普通にできますよ」と言われたんです。
そんな軽いノリ!?笑
本村さん)私も軽っ!?と思いました笑
まぁそこから協力していただいて、サッセンが形造られていったのが始まりになります。
いろんな方の繋がりがあってこのサッセンというスポーツが出来上がりました。
おそらくその出会いが無かったらこのサッセンというスポーツは生まれていなかったと思います。
そうだったんですね…!沢山の”繋がり”があって生まれたスポーツなんですね。
サッセンの遷移
本村さん)当初は今のようなアプリではなく、PCとサッセン刀を苦労しながらではありますが簡単な構想で作り上げたんですよ。
振った速さで判定を決める加速度センサーを用い、ルールも「1分間に何回当てたか」という基準でした。
ですが中々機械が安定していなかったでしたし、サッセン刀も真ん中にに新聞紙を丸めて入れていた程だったんですよ。試合中に新聞紙がポーンッと飛んでいくとこも多々ありました笑
そんなハプニングが笑
本村さん)そのころはまだサッセンという名前すら付いていなかった時ですけどね笑
そのような経験を乗り越えてアプリというものになりました。今もまだ発展途上ですが当時に比べたらものすごく進化しました。
なるほど…。ということは今のサッセンのような形になったのは比較的最近でしょうか?
本村さん)そうですね…。特許を取ってから漢字の颯然がスタートしまして、そこから英語のSASSEN、柔らかいイメージを出すようになったのは今から3年ほど位前ですね。
サッセンの大会について
大会など数多くの方々が参加しているような印象なんですが、何名規模くらいで開催してるんですか?
本村さん)いやいやいやまだまだですよ笑
今年の1月に全国大会を北九州で実施した際は50名ほど参加いたしましたね。今は東京にも進出し始めまして、先日秋葉原で2日間にわたって開催した際は両日合わせて30名ほど参加いただきました。だんだん競技人口も増加していますので、それに伴い試合の質も向上していっていると思いますね。
つい先日も小学生の女の子が大会で優勝したとお伺いいたしました。
本村さん)あ!全国大会のものですね。
今は小学校低学年/高学年/大人で分けてやっています。
大人はみんな一緒なんですね!?
本村さん)そうですね。ものすごく人が増えれば細分化しても良いと考えているのですがサッセンのコンセプトとして「誰でもできる」を掲げて実施しているので、今のところは一緒にしていますね。
空手をやり始めたころからサッセンを大きくしていこう、と考えを固めて行動していたのでしょうか?
本村さん)いえ、そんなことはなかったですね…。空手をやっている方からすればただの練習メニューの一つですから、それがこのようになるという事は全く考えていませんでした。
それこそ人とのご縁だったり出会いがなければ今のサッセンはないかなと思います。
もちろんお金をかければできるとは思うんですよ。スーパースローカメラとか。
でも、手軽にもっとやりたかった。
自分のアプリがあればどこでもできるという利点を活かしていきたかったのでこのような形で進化させてきました。
なるほど…確かにアプリとサッセン刀があればどこでも出来ますもんね!
今、具体的に活動されているのは体験会と大会がメインになるのでしょうか?
本村さん)そうですね。それに追加して同じようなマイナースポーツの方と手を組んだりとかしております。先日も全日本まくら投げ大会の方とご一緒させていただきました。
あ!仰ってましたね!枕投げ…面白そうですよね
本村さん)先日もお邪魔させていただきました笑
結局、その全日本まくら投げ大会はチームスポーツでサッセンは個人戦なのですが、やはり企業の方々にもチームビルディングとして使っていただきたので今は3対3での団体戦もしております。
が、もっとチームワークを活かしたものができないかなと考えていまして一つ考えているものがあるのですが…格闘ゲームとかやったことありません?
ありまーす!!!
本村さん)笑笑
その格闘ゲームで3対3とかだったら好きに交替できるものがあるじゃないですか。そういった形でチームとしてポイント制にして試合を行えばチームワークも大きく生まれつつ
団体戦も面白くなるんじゃないかと考えています。
なんですか、それ!すごく面白そうですね…!
企業の方ともそういったお話って進んでいたりするんでしょうか?
本村さん)いえ、まだですね。ですが是非やってみたいな、と考えています。
センサー刀ももっと進化すれば運動会の様に50対50でもできるようになるので、今はそこを夢見てやっていますね。
(Youtuber Fischer’s の動画から これのサッセン版とかすごく面白そうです!!!)
サッセンの運動会とかサバイバルゲームの様になりそう
とっても魅力的な夢ですね…!
本村さん)はい!!ですがまだ課題は多くありまして、例えばサッセン刀のセンサーがまだ人かどうかの判別ができない、というものがありまして。サバイバルゲームになったら隠れてコソコソして点数を稼げてしまうのでまだ改善は多くありますね。
やっぱり男性はこのスポーツ大好きですよね
本村さん)男性の方は言わずもがなすごく前向きにやりますが、より燃えるのは実は女性の方なんですよ笑
えーー!?そうなんですか!?
本村さん)はい。やる前はあまり乗り気ではない感じですが、やっていくとすごく燃え上がってはまるのは女性の方が多いですね笑
へええ…体験会すごくやってみたいです!
競技している方って何歳くらいまでの方がいらっしゃるんでしょうか?
本村さん)80代の方もいらっしゃいますね。サッセンは「生涯スポーツ」なので健康講座のようなものも実施しているんです。試合だけでなくみんなでサッセンのレクリエーションを行って健康になろう、といった意図もあるんですよ。
特に北九州では高齢化も進んでいますので1時間だけでも良いのでやりましょう、と積極的に呼びかけています。
先日も小学生5年生の子と70歳の方とでサッセンを行ったんですよ。
ええええ!
本村さん)はい。その時は70歳の方が勝ちましたね。笑
まだ経験の差があったって感じですね笑
サッセンと本村さんと ~苦労したエピソード編~
今までサッセン開発の経緯などを伺ってきましたが、サッセンを広めていく中で大変だったことや集客の部分で苦労したエピソードなどはございましたか?
本村さん)開発費はいつも苦労していましたが、サッセン刀が今の形になるまではすごく苦労しましたね。今の刀に行きつくまでは100本くらいは作成しました。
ひゃ、100本!?
本村さん)はい。それこそ先ほどの話にもあった新聞紙の刀も100本のうちの1つですね。
例えば硬さとか長さ、耐久性、金額等を考え抜いて製作いたしました。今は素材自体はあるものではありますが特注で製作しております。
今は良い音や耐久性を持ちながら丁度良い塩梅で運動できるような代物になりましたね。
そうなんですね…確かに耐久性や音、硬さってすごくバランスの調整が難しそうですもんね
本村さん)はい。長さも45cmなんですけども、肘から腕までの長さなんですよ。ですから間合い的には丁度目の前の人にギリギリ当たる長さでして、フェンシングや剣道よりも近い距離なので新鮮ですね。当たると思ったら当たらないという微妙な位置感なんですよ!
その距離間というのは元々空手の中で構築されたものなのか、サッセンを続けていく中で適度な距離感を見つけたのか、といったらどちらなのでしょう…?
本村さん)あー…後者ですね。サッセンを重ねて行っていったことで作り上げていった距離ですね。
もしかしたら格闘技をやっていた方なら強いでしょうけども。
サッセンをやっていて思うのが剣道を元々やっていた人ってサッセンが強そうに見えるじゃないですか。ですが、サッセンが上手いかと言われたら一概にはそうでもないんですよ。
ここがサッセンの面白いところでして、剣道を元々やっていた方って真っ直ぐ振ることは早いんですけど、サッセンって頭を叩いてはいけないというルールがあるんです。
また、サッセンは足を叩くのはありですが剣道は足を叩くことって無いじゃないですか。ですから剣道をやっていた方が自分の技をそのまま撃てるか、と言われたらそうでもないんです。
ただ、間合いの取り方はとても上手なので迂闊には踏み込めない、というのはあります。
しかしそこも周囲をぐるぐると回って撹乱することで間合いを崩すことができる…といったように対策も打てます。
今のところ剣道をやっていた方が大会を優勝したのは見たことないですね。
なんだか奥が深いですね…
ちなみに大会で優勝する方ってどんな特徴がおありなんでしょうか?
本村さん)そうですね…。今サッセンの大会は全部で3回開催しているのですが、2連覇をしている大人の方がいらっしゃいまして。その方はテニス部ですね。
まさかのテニス部!?
本村さん)はい。テニス経験しかないみたいです。ですから言い様によっては、なんですがテニス部ってボールを点でとらえる力は強いんですよ。サッセン刀のセンサーを点で当てる事も出来るのかな、と考えています。
また背が低くて運動神経が良い方は的が小さくて強い、というのはあると思います。
まぁ今のところは、という暫定的なものなので「こういう人が勝てる」というものは未だないですね。それがまた面白い点なんですよ。
結構私自身サッセンの審判をやることが多くてですね。今まで何千試合と試合を見てきて
最初に「構え!」と言うんですよ。その時に(構えなんて無いんだけどな…)って思いながら試合を見ていますけどね笑
一同)笑笑
本村さん)まぁ何かしら構えないと始まらないんですけどね笑
お堅いイメージや怪我をするイメージ(武道色)はあまり見せたくないんですよ。「誰でもできる」という部分に重きを置いていますので。ですがサッセンの根本には武道があるということは意識してほしいという事で良さは残しています。例えば 試合が始まる前の礼 などですね。
そうなんですね…。わあ~早くやってみたい…!!
絶対燃えると思います!
本村さん)で、ふと思ったんですけど。サッセンって技名など1つも無いんですよ。だから
技名とかないから募集してみようかな…って考えています笑
サッセンと本村さんと ~楽しかったエピソード編~
サッセンを広めて行く中で、楽しかったことや面白かったエピソード等、沢山おありだとは思うのですが、ぜひ教えていただきたいです!
本村さん)いろんな職種の方がいらっしゃるのはすごく面白いですね。勿論サラリーマンはいらっしゃいますが、枕投げをやっている方、弁護士、お医者、秋葉原なので声優のファンだったり・・・
そういう方々を集めて少し説明すればその場でやれる!!という手軽さがサッセンの良さかな、と改めて感じています。
来られた方と結構コミュニケーションをとられたりもしているんでしょうか?
本村さん)はい。今はコロナの影響で延期になりましたが、声優のリスナーさんと一緒にサッセンのイベントをやってみよう!と企画もしていました。笑
本当に、サッセンって「生涯スポーツ」なので相手に合わせていろんなことができるんです。
子供だったらセンサーを使って鬼ごっこをしたり、高齢者でしたらレクリエーション、
障害を持っている方ならそれに合わせて試合を行う、といった風に実施できるんですよ。
例えば、先日は視覚障がい者の方とサッセンを行ったんですがその際はサッセン刀に鈴をつけて試合を行いました。
その時に課題が改めて見つかりまして、その障がい者の方に頂いた指摘としては
「サッセンが当たった際の音が自分なのか相手なのかわからない」というものですね。
こういった指摘って言われないと気付かなかったものだったのですごくありがたかったです。
確かに…。サッセンをやっていく中でアップデートしていく感じなんですね!
本村さん)ですね。そこが改めて面白いところだな、と感じました。
お話を聞いてて可能性がたくさんあるな、と改めて思いました。
国民的なスポーツになりそうな感じがあります・・!
本村さん)ありがとうございます。イメージとしては「遊戯王」といった様に子供たちが公園で集まってサッセンを行う、という場面を見る事が一番うれしいし、そうなってほしいですね!
サッセンと本村さんと ~魅力編~
今まで沢山のお話をお伺いしましたが、改めてサッセンの魅力を教えてください!
本村さん)IT×侍の世界を再現する、というのはきっかけの1つでして、ここからどんどん進化していくのが魅力です。
ゴールは「誰でも手軽に健康になり、笑顔になれる生涯スポーツ」ですね。
アプリや技術力が上がっていくほど、どんどん面白くなっていくスポーツです。
「手軽さ」というのはサッセンを行っている人だけではなく準備している側にもあって、なるべくルールや準備も手軽が良いじゃないですか。
サッセンでアナログな部分がまだ3つありまして、①場外に出た時の判定、②振った回数、③人かどうか(持ってるところにどっちが当てたか?) という部分が未だ残ってはいるのですが、これからはどんどん減っていく予定です。
例えば②は加速度センサーを取り入れることでアナログではなくなっていく…といった風に進化していきます。
実際先日行った体験会では時間を計る係をその場でお願いしてやってもらっていたんですが、アプリで改善しました!
ですので、どんどん試合毎に必要とする人の数が少なくなってきています。
将来的には、試合するために必要なものは自分と対戦相手とipad のみ…といった具合にしようとしております。
そうすれば誰がどこでやっても平等に戦えるのかな、と思っています!
「あの審判甘いよね」がないのは良いかなと。
なんだか海外にも広がっていきそうですね!
本村さん)そうなんですよ。実は次のセンサーはLEDを入れるので光る予定です笑
まぁ…表立っては言いませんがライトセイバーみたいな感じにはなりそうですね笑
一同)笑笑
本村さん)実はもう1つやってみたいことがありまして…カービィのゲーム「刹那の見切り」みたいなことを今度やってみたいなと考えております。
うわぁ、良いですね〜!(←世代)
本村さん)是非やりましょう!基本僕やりたいことすぐ試す派なので笑
流行りに乗じて、鬼滅の刃の技をやってみるのも良いかもですね笑
本村さんの夢
本村さんは、サッセン、しいてはスポーツを通してどんなことを伝えていきたいとお考えですか?
本村さん)スポーツは健康になることが一番のメリットだと思うので、楽しさを通じて健康になって欲しいですし、新しいものを触って、実際にやって楽しみながら健康になるのが良いな、と思ってます。それを伝えていきたいですね。
サッセンは気軽に楽しめるものではありますが、結構頭と体を使うスポーツでして、初見が一番イメージつかないと思うんですよ。
だからこそこういった口コミや記事で広がっていくのはありがたいですね。
思い描かれているサッセンの未来、こんな風に広まっていったらいいなというものがあれば教えてください。
本村さん)機械的な面はライトセーバー(のようなもの)に向かっていくことが目標です笑
生涯スポーツとして、公園や老人ホームといった様々な場所や人とで行って健康になっていくのが目標ですね。
スポーツとしてのゴールはオリンピックをイメージしてはいたんですが、もしかするとパラリンピックなのかな、と考えています。
ですので、パラリンピックに向けて何かする という訳ではないんですか、スポーツとしての一番の祭典がオリンピックだとするならサッセンの行きつくところは「パラリンピック」なのかな、と考えています。
サッセンがパラリンピックに入ったら本当に感動しちゃいますね…!
本村さん)また、僕の中では枕投げさんを始めとして様々な方が携わってくれたので、還元していきたいですね
生涯スポーツ・サッセン
空手を忠実にやっていく中でITと侍を掛け合わせた応用スポーツを展開し、「手軽さ」という自由な武器で知見を広げていく基盤を作っている最中の本村さん。まさしく「守・破・離」の体現ではないでしょうか。
様々なスポーツがひしめくスポーツ大戦の中で、ぜひとも同盟を組んで日本に一旗立てていきたいと思いました!
本村さん、とっても素敵なお話をありがとうございました!